「虐待されてたの?」




親と仲が悪い、親が大嫌いと言うと、必ず聞かれるのが「何をされたの?」
聞かなくても、大体の人は気になるでしょう。虐待があったのか、余程厳しいしつけをされたのか。

ここで、私は応えに詰まります。

いわゆる「食べ物を与えてもらえない」「学校に行かせてもらえない」「恒常的な暴力」というものは、 ありませんでしたから。
先にそれを言うと、「なんだ、じゃあただ親が気に入らなくて駄々をこねているだけじゃないか」と言われます。


衣食住が満たされていて(少なくとも困ることはなかった)、二親揃っていて、それで何が不満なの?


そうですね。だからこそ、私も今まで長いこと、うまく訴えられなかった。
確かに苦しいのに、それは全て私の我が侭なんだとずっと思っていました。
親の前で死んでやると叫んでも、パニック障害発作が始まっても、親と何度も仲良くしようとしていました。

今回は、私が親に「された」ことをいくつか並べたいと思います。

・左利きを右利きに矯正された
これについては私自身は覚えておらず、母親に聞いたのですが、元々私は左利きだったそうで。
矯正の理由は、「変に思われるから」。

・姉との喧嘩で、私が怪我をしたのに、何故か私が母から怒られ、寝る部屋を別々にされた。
一応縫う程度の怪我だったんですけど。多分、父の目が届かないところで私が怪我をすることで、母が父から 怒られることが怖かったんじゃないかなあと想像しています。

・父に身体を触られた
先に断っておきますが、多分父としては、ペットを撫でている感覚だったんだと思います。
性的なアレはなかったと…。
嫌がると機嫌を損ねるので、何も反応を返さずに放っていたのですが、今ならはっきり言える。すごい気持ち悪い。

・親が知らないことを質問されて、わからないと言うと馬鹿にされる
これも父親ですね。自分が知らないことを聞いてくるのに、私も知らないと応えると、「そんなことも調べてないのか」と やたらと軽蔑された。

・居間のソファで寝ているところを、突然引っぱたかれた
ソファで寝ているのが気に入らなかったのでしょうか。私は叩かれた瞬間に起きていたのですが、何を言われるのか 怖くて、寝たふりを続けました。父親はそのまま黙ってどこかへ。

・感情的になればうるさいと言われ、冷静になると可愛くないと言われる
いずれにしても、父親の意見に賛成しなければ、どういうリアクションをしようと「可愛くない女」という判定を 受けていたと思います。

・通信簿を学校に置いてきた事で、母に鼻血が出るほど叩かれた
子供の頃なので、元々鼻の粘膜は弱かったのですけども。

・私の興味を持つもの全てに良い顔をしない。私がすることに関心を持たない。
それなのに、私が何かやりたいと言うとまず否定的な意見を言う。
全て家族の中で済ませようとする。

「叩かれたことなら誰だってある」「理不尽に叱られる事は、親だって人間なんだからしょうがない」という 正論は、十分にわかっているのです。
親にされた、些細と言われてもしょうがないひとつひとつのことが、「親は私のことに興味がないんだな」という実感、 確信として私の中に積もっていきました。
いえ、可愛かったんでしょう。自分にとって好ましい反応をする、子供という名前の愛玩動物としては。
そして、サンドバッグとしては。
普段、あまり口出しをしないのは、娘に何を言ったらいいのかわからず、親として未熟な部分を晒すのを恐れているから。
それでも、やっぱり「自分の理想の子供像」が崩れそうになると、私が悪いのだと責め続けた。

家族のかすがいで居続ける私が、理想だったから。 父親と母親が私にした、一番罪深いことは



・互いのパートナーに話せないことを、子供である私を仮想パートナーに見立てて、 感情のゴミ捨て場にした



***

私にもう少し強さがあれば、現状を招かずに済んだのに。


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